昨日の熊本城マラソンも記念すべき第一回が済みましたが、選手にはつらい天気ではなかったでしょうか。
雨、雪が降ったわけではありませんが、低温注意報が出ていたほどで気温はとても低いものでした。
太陽の当たる面では寒さを感じないものの、物陰ではぐんと身震いするほど。
インフルエンザも流行っているので注意。
わたしはとうとうダウンしました。土曜日に風邪気味かなと思った時に、温かくしておけば良かったのですが油断して日曜日に発熱。現在病気と闘いながら更新しています。
独DEUTSCHE GRAMMOPHON SLPM 139 120 Peinemann(vn), Maag DVOŘÁK: Violin Concerto, RAVEL: Tzigane
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パイネマンのヴァイオリンの音色は気品があって、しっかりとした腰のある太い筆で周りへの気遣い無く自信を持って弾ききっています。それは格調と内面の力強さが高次元でバランスも良く美しい音色となっています。
そして彼女のソロを取り巻くチェコ・フィルのアンサンブルが美しい。弓の上げ下げがぴったり揃っている様に見える様でパイネマンの独奏ヴァイオリンを包み込む様にステレオ空間に並びます。それは立体的でステレオ録音初期の工夫が実を結んでいます。
余録といったらあまりにも失礼なほどに、ラヴェルの《ツィガーヌ》はパイネマンの気品と美音がラヴェルの精神にシンクロ。女性は着こなしには自信がある、と言う人も多い様にドヴォルザークとは違った自己アピールが聴けます。こちらの方がパイネマンの音程の美しさが良く楽しめると思います。ドヴォルザークの方は多くの型がいろいろと思いを語っているブログがあるけど、《ツィガーヌ》を取り上げていないのは何故?
まぁ、そこまで書く必要も無いほど《ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲》をパイネマンで聴いて欲しいという思いではありますね。オーケストラの編成の違いが楽しめるカップリング。両曲共に録音エンジニアも会心のレコーディングの想い出でしょう。
それはデザインチームも楽しいものだっただろうな、そうした楽しい一時が伝わる様な見目美しいジャケットに魅了されている人は少なくなく、コピーされたCDではなく独グラモフォンに唯一残した、このLP盤(1961年)を実際に手にしたいものでしょう。
ジャケット・デザイン、演奏、録音共に、わたしのアナログLPレコード・セレクションの宝物の筆頭。価格も高いが、満足度も同じ。 ただし、50年も前のレコード故、ジャケットのコンディションは片目をつぶりたい。でも、それはある意味なおし込まれたまま綺麗なレコードではないと言うことですね。
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲はまだ、馴染みが無い。そういうクラシック・ファンには他の演奏者で聴き込んでこそ、パイネマンの美しさが魅了するでしょう。