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11月 25

珍しい音盤を今日は、聴いて頂きます。 – 第295回 蓄音器でレコードを楽しむコンサート

金曜日の勤労感謝の日から三連休というところもあったでしょう。こんな機会にじっくり音楽を聞きたいと日頃からあれこれ、聞く音楽を決めていて一日目、二日目。そして三日目となるとさて何を聴いたらいいか。あるいは、とりあえずクラシック音楽を聴いて楽しみたいけど何を聴いたらいいか。
そうした時に程よい楽しみとなるのが、ベートーヴェンの交響曲第4番をオススメします。幾つもの名曲でどっかりしていている時の箸休め、気分転換。また、ウォーミングアップには丁度良い曲です。
ベートーヴェンの9つの交響曲は、その存在感がそれぞれに大きくて。先月会長の解説で聴いた、ブルーノ・ワルターの演奏でのブラームス。ブラームスはベートーヴェンのに憧れ、9つの交響曲に続きたいと思っていた作曲家でした。
ブラームスは22歳の時に、シューマンの『マンフレッド序曲」を聴いて『自分も交響曲を書こう」と思い立ちます。しかし、その思いを達成するまでに21年を要しました。その時、ブラームスは43歳になっていました。
この22年間ひたすら一曲に取り組んでいたわけではなくて、ブラームスの性格もあってか作曲の依頼を受けたセレナーデ、ピアノ協奏曲に化けていきます。そうして完成したブラームスの交響曲第1番には、主題がベートーヴェンの『運命』をなぞっていたり、『第九』に似たフレーズも出てきます。
ベートーヴェン以降、ブラームスの間にもシューベルト、シューマンの交響曲をはじめ数多くが存在しますが、シューベルトは9曲とも、10曲とも言われる交響曲がありますが、現在聞かれているのは『未完成交響曲』と『グレート交響曲』の2曲。シューマンの4曲は作曲、演奏はされましたが聴衆には受け入れられませんでした。
演奏を聞いて誰もが感銘を受ける。そういう点で、ベートーヴェンの9曲とブラームスの4曲は存在感が大きいのです。

例えばベートーヴェンが交響曲を三曲しか作曲しなかったとします。もし、そうであっても「英雄交響曲』だけでベートーヴェンの名前は大きく残ったでしょう。
ベートーヴェンは『運命』、『田園』。そして『第九』を書き上げました。そういう曲があまりにも力強いものですから、交響曲第4番は存在が影に隠れがちというか、聞く機会も少ないでしょう。
そこで先月が、ワルターがナチスから逃れるために英国のBBC交響楽団と録音したブラームスの交響曲第4番を聴いていただいたつながりで、トスカニーニがBBC交響楽団と録音したベートーヴェンの交響曲第4番を聴きます。トスカニーニはワルターをナチスから助けて、アメリカに渡らせる働きをしました。

第295回 蓄音器でレコードを楽しむコンサートは、次のとおりに催します。
日時:2012年11月25日、午後1時30分
会場:熊本市立博物館 1階 特別展示室

参加は無料ですが、熊本市立博物館の入館料が必要です。