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1月 19

2013年はオペラの年

第 297 回 蓄音器でレコードを楽しむコンサートのご案内

  • 日時 : 平成25年1月20日(第3日曜日) 午後 1 時 30 分より
  • 場所 : 熊本博物館 特別展示室 ( 1 階 )
第1部 クラシック 2013年はオペラの年
ヴァーグナー作曲 前奏曲集
新年おめでとうございます。新しい年はヴァーグナーとヴェルディの生誕 200 年。ドイツとイタリアの歌劇王と言われています。今回はヴァーグナーの4大オペラから、祝賀ムードのある前奏曲と春を迎えて巡りあう事が出来たカップルの愛の歌を聴いて頂きます。コマーシャルなどで馴染みのある名曲を、名指揮者・名歌手のSPレコードで楽しみましょう。
第2部 持ち寄りコンサート
皆様からお持ちいただいた盤をおかけします。
今回はどんなものが出てくるか楽しみにしてください。

※ 今月は第3日曜の開催となりますので、お間違えのないようお願いします。

第297回蓄音機でレコードを楽しむコンサートのご案内

第297回蓄音機でレコードを楽しむコンサートのご案内

熊本博物館は3月末まで『まなぼうさい展』を開催中。その後は長期間の館内改修になります。それまで2月、3月と講演、講座はあります。昨年の「大恐竜展」のような外部団体からの利用は無い分、熊本博物館の学芸員の発表、研究会、同好会の利用は活発と思われます。しかし、4月からそれぞれはどこで継続するのでしょう。少し、気になっています。さて20日の『第297回 蓄音器でレコードを楽しむコンサート』で聴いて貰うワーグナーは4大オペラから5曲を用意しました。案内ハガキの原稿を書いている時点では詳細が決まっていなかったので、「前奏曲集」としましたが「前奏曲と名場面」。

名演、名盤と時代背景

タンホイザー、ローエングリン、ワルキューレ、ニュルンベルクのマイスタージンガーからの「前奏曲と名場面」。ビーチャム、トスカニーニ、ワルター、カラヤンと指揮者のお国は様々。トスカニーニもニューヨーク・フィルとの愛好家盤。亡くなる前の有名な方の録音ではありません。いずれも第二次世界大戦の戦禍をくぐり抜けて来ている。
日本がドイツ軍と同盟だったからという理由も決め手とは出来ないところ。処分されずに残ったものです。そこに不思議と、感心の()い交ぜの感想を覚えます。ドイツでも戦後ワーグナーを忌み嫌った人も居ただろうに、トラウマなんて言葉が反乱している現代の日本と違ったのかな。そんなこと引きずって悩んで要られるうちはまだ生活が良いってことか。英米でも演奏、録音は絶えることがなかったようだから、規制や自粛はあったとしてもワーグナーの音楽は魅力なのでしょう。
録音が記録、記憶としてだけではなくSPレコードとして現に目の前に残っている。ワーグナーの録音がドイツ限定ではなく、イギリス、アメリカでの録音も多くあることは一つの発見になりました。映画「地獄の黙示録」で空爆するヘリコプターが「ワルキューレの騎行」を大きな音で響かせる。ワーグナーの「ワルキューレの騎行」がクラシックに縁遠い人も好きな曲と成ったのは、映画効果。その頃から増えたのかなぁ、と思っていたのは違うんだと気づきに成りました。

今回のSPレコードの聞きどころ

八重の桜が、今年のNHK大河ドラマです。NHK放送開始60年、大河ドラマ放送開始50年。だったかな、ちょうど重なる記念の年。幕末、明治維新が舞台とあって、またまた、と思わないでもないのですが楽しんでいます。勝負は負けるものがいてこその勝負なのだ。と、誰かが言ってましたが会津藩が負けていく様子にスポットを当てるというもの。それも興味のあるところですが、佐久間象山、そして肥後藩の宮部鼎蔵(ていぞう)が時代を動かそうとしているところが1月は中心なので注目しています。ちょうどこの時代がワーグナーが活躍した時代です。
この1850年から70年の頃は、日本にかぎらずヨーロッパ、アメリカも動乱の時代でした。ワーグナーが作曲家として活躍するのは40歳、50歳になってからで他の作曲家とは随分異にしています。それは若い頃は、動乱の革命活動に時間を費やしています。
今回聴きます。ワルター指揮ウィーン・フィルのレコード。楽劇《ワルキューレ》からの《あなたこそ春なのです》は部族同士の闘いで別れ別れになった男女が再会して歌う愛の二重唱です。男の方は、部族長の息子なので父親と一緒に戦いに出て森で(はぐ)れ迷います。男たちがいないところを留守を守る女達は襲われてしまう。乙女は敵の部族長の花嫁になって、いつか救い出されることを待っていました。
嵐の中、男は一軒の家に疲労困憊(こんぱい)転がり込んでくる。部族の最後の一人だと意気消沈だった男は、介護してくれた女と身の上話をしているうちに希望を再び燃え上がらせて歌います。この直前の、突然扉が大きな音で開くと、嵐が上がっていて暖かい日差しと緑の息吹が家の中に入ってくる。全体ハードなオペラですが、ホッとさせるところです。冒頭の嵐の様子など、革命の戦禍をくぐり抜けたワーグナーならではの音楽だと思います。楽劇「ワルキューレ」は全幕で4時間ぐらい、第1幕でも1時間15分あるので聴くのは二重唱の部分です。全体は現在、CDで聞ける。※購入は http://amzn.to/VbVyz0
第1幕全体と、第2幕の一部。LPレコード2枚分と、全曲録音で無いのが残念です。オペラは歌手も多く必要ですし、可能な限りをレコードに残したという印象。ロッテ・レーマンとローリッツ・メルヒオールと当時全盛の歌手が聴けるのは嬉しいことです。李香蘭と長谷川一夫の共演と言った感じでしょうか。全幕の録音が出来ていたら、オーケストラがウィーン・フィルということも共通して、レコード史の偉業にDECCAではなく、HMVが名前を刻んだことでしょう。

第二部は予定変更。

昨年末の講師急病で急遽『持ち寄りコンサート』と入れ替えになった第2部。今回も同様の予定変更となってしまいました。同じ方ではないのですが、夫婦で入院することになってしまったということです。連絡が取りづらい事もあって詳細ははっきりしていませんが、昨年末に熊本で高齢者間で広まった「ノロウィルス食中毒」だと聞いています。
ホテルや仕出し屋から催しに届けられた弁当が発生源。生牡蠣が悪かったと言います。ご夫婦で同じ食事されたとも考えられますし、看病していてふたりとも悪化したのかもしれません。連絡がつかないので新年会の心配事は、それに尽きました。それで予定変更が続くことと成りました。「昭和歌謡史(21集)」は3月に出来るかは不明。
今月はいつもと違って第3日曜日の例会です。会場は年間予定表では研修室になっていますが、案内ハガキによれば特別展示室(一階ホール)での利用となっていますので、会場の確認は当日行ってください。場合によっては会場の変更もあります。4月以降は、熊本博物館の改修期間に成るため、開催日、会場は未定です。会としては、休むことなく継続することを前面に考えています。