【蓄音器の音】これは何でしょうか – 第279回蓄音器でレコードを楽しむコンサート《沖縄音楽特集》レポート①

夏休みになったばかりで熊本博物館は子供たちがいっぱい。7月例会、第279回蓄音器でレコードを楽しむコンサートは沖縄から講師として、山城政幸さんが解説者の小浜司さんと三味線演奏家の牧野晃明さんをおつれくださいました。生憎夏休み最初の日曜日でしたから館内はイヴェント盛りだくさん。いつもの会場が使えなくて、プラネタリウム前の展示スペースでのコンサートになりました。

吹き抜けスペースでのコンサートとなりましたので音響は結構響きました。SPレコードの再生音や三味線の演奏は随分広く聴こえていたという事でした。意外だったのは解説の間は聴こえることはなかったそうで、「合間合間が長く静かでしたね」と一番近い特別展示室で”九州新幹線全線開業記念事業 サンゴ礁の化石たち”の展示担当者の方から聴く事が出来ました。

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【蓄音機の音】聴きませんか – 第276回 蓄音機でレコードを楽しむコンサートから《ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ニ短調 第1楽章》

手巻き式蓄音器 VICTOROLA での再生。2,3分の間隔でカチンカチンと金属音がするのはゼンマイが解ける音です。SPレコード・コンサートの会場での録音ですので途中鑑賞者の物音、咳払いが聞こえます。鑑賞会に参加して頂いた人数は50人ほどいらっしゃいましたけれども、皆さん集中されていて極めて良い環境の中で録音できました。盤面を替える時に咳払いされたり溜息つかれたり、レコードコンサートだというのに実際の演奏会に向かわれているようでした。

【蓄音機の音】聴きませんか - 第276回 蓄音機でレコードを楽しむコンサートから《ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ニ短調 第1楽章から第1面》

それほど演奏自体が良い。そして盤質がとにかく良い。極上の保存状態と太鼓判が押せる。1937年録音の《ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調》と言えばパブロ・カザルスのチェロ独奏、ジョージ・セル指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のSP録音盤。昭和13年頃の発売になる日本ヴィクター盤。盤に傷は無く、シェラック盤固有のノイズも極めて良好。市政便りの告知を観て、これは聴かなければと予定をやりくっての来場者もありました。研修室という音響環境が悪い中でも、ダイナミックレンジの広い奥行きのある良い録音です。SPレコード時代の最上の録音に屈指出来るでしょう。

CDは http://amzn.to/q2nnl0 として出ています。少なくともNaxos盤のブツブツとした音質よりは優良。セルの音楽は無味乾燥だと言われますが、日本に限っての事のようです。そう思って日本盤のCDを聴くと確かにカザルスのチェロばかりが大きく聴こえる様にしてあるみたいです。確かにこの《チェロ協奏曲》の勘所は独奏チェロなのですけれども、独奏チェロが登場するまでの第1面の前半のほとんどホルンの歌わせかたは魅力的です。テンポも緩ませたり緊張感を高めたり。中間のしっとりとした独奏に先立つ弦楽器の密度の濃い優しさ。あぁ、チェコ・フィルなんだなぁって音だけで分かる。復刻LP、CDでは感じ損ねているようです。

チェロ:パブロ・カザルス
指揮:ジョージ・セル
管弦楽:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1937年4月28日、プラハ録音
日本ビクター盤  JAS-675 JD-1187,1188

spconcert276a1.mp3 Listen on Posterous

wavファイルで高品位鑑賞もできます。御希望頂けば用意いたします。

お盆の熊本。大雨も祖先の力で澄み渡った青空に!

☀第291回蓄音器でレコードを楽しむコンサートは、7月22日になりました。お間違えなく!

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大雨が続いていました熊本。連日早朝には雷雨が激しかったのですが、今朝は昨日までの大雨土砂崩れ警報が嘘のよう。天気予報では今日、明日も大雨と言う事でしたがどういうことでしょう。明るい日差しと晴れ渡った青空、蝉の声も賑やかでいつもの夏の朝のようです。市内は7月15日をお盆としていますので昭和28年の大水害を知る祖先が1日だけでもと安堵できる朝をもたらしてくれたようです。

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沖縄からのコンサート、集え!熊本博物館へ – 第290回 蓄音器でレコードを楽しむコンサートのご案内

第290回 蓄音器でレコードを楽しむコンサートのご案内

  • 日時:平成24年6月24日(日曜日) 午後1時30分より
  • 場所:熊本博物館 特別展示室

 

沖縄からの歌特集 沖縄民謡ルネサンスの時代

 

1957年頃からラジオ放送が盛んになり、琉球民謡は丸福レコードに押されていました。そこで奮起したのが丸高レコードでした。東京のビクターレコード会社にお願いして制作を始めたのです。
当時は沖縄から10名ほど東京に船で渡り、約1ヶ月間滞在してかなりレコードが吹き込まれました。
丸高レコードの興隆の時代です。

 

第290回蓄音器でレコードを楽しむコンサートのご案内 沖縄からの歌特集

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第289回 蓄音器でレコードを楽しむコンサートのご案内

蓄音器でレコードを楽しむコンサートも、この5月で『第289回』目と成りました。順当に運べば平成25年4月が『300回』、そろそろ記念イヴェントも日程を定めて準備に入らなければ行けないのですが・・・課題として表面化してきたのが参加者の人数。

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《第286回 蓄音器でレコードを楽しむコンサート》市政だよりの発表は変更になりました – 大型の蓄音器でティボー、コルトーのドビュッシーを愉しみましょう。

毎月、第4日曜日に開催している『蓄音器でレコードを楽しむコンサート』の内容変更をお知らせします。
市政だより2月号の24ページに『沖縄の歌特集』と掲載してありますが、都合により6月に延期します。

講師都合によるもので、一月に入って連絡がありました。市政だよりには二月前には出稿してありますので、この場を借りて変更のご連絡とします。

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《蓄音器の音》聴きませんか – 百万の人々よ、互いに抱き合え、全世界の接吻を受けよ! 《第9》の第4楽章を聴く

学校で教師からクラシック音楽のレコードを聴かされた時には、馴染めないというのか不慣れな音楽に違和感を感じて以来クラシック音楽を遠ざけてきたけれども、この会で少しずつ聴かせて貰うことで面白いと思うようになりました。その説明が楽しいからかもしれません。

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レコードをかけて、解説をすることの嬉しい冥利はそう言われるところにある。クラシック音楽の通の人、レコードを良く親しんでいる人からすれば、至極当然な情報を変に平板な言葉で説明するだけ。そう思われるのも致し方のないこと。

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《蓄音器の音》聴きませんか – 英国盤と同じマトリックス、プレスの質は日本盤の方に軍配を上げざるを得ない。

来年、2012年はドビュッシー、ディーリアスが生誕150年。ディーリアスは英国音楽に興味を持ちだしてすぐに色合いが違うことで惹かれた作曲家でした。出逢いはフェンビー、ビーチャムの英国管弦楽小品集の中でした。中学三年の時にシューベルトの曲はほぼすべて・・・読破、ならぬ・・・読聴。ベートーヴェンやバッハとなれば、論陣は数多いし録音も聞き比べまで要されるだろうと思ったから、まずは程良い作品量とステイタスのある作曲家から”制覇”しようとしていたのです。

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作曲数はあっても購入してレコードが揃わなければ意味ない、ラジオなどからの情報も大切だ、『好きな作曲家は?』なんて話題の時に少なからず知られた名前の作曲家でなければ面白い事にならないし、情報交流が孤独なものでは嫌だ。

ワーグナーのすべてのオペラをFM、レコードですべて聴いたのが高校入学の年。ワーグナーの交響曲、ピアノ独奏曲、室内楽などがマイナーレコードを通して日本盤が発売されたのも奇しくも幸いしました。

その後は、ロック、ジャズへの関心も広まってクラシックだけに集中するのが難儀になっていったけれども、ディーリアスにターゲットが定まったのは輸入レコードショップ・FMウッドストックで、ディーリアスのCDをまとまった形で聴くことが出来たこと。しかし、これ期待ほどにはその後の展開が望めないままです。

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《蓄音器の音》聴きませんか – 人類愛の賛美、75年の時間を超えて胸に響く《歓喜の歌》

初雪となった金曜日、前日の半分以上に気温が上がらなかった寒い土曜日。明け方までは暗く、夜まで寝過ごしていたかと思ったほどだった日曜日の朝。昼前には青空と太陽が出て、出掛けるまたとない機会となりました。

熊本博物館で開催した今年最後のレコードコンサートは、参加者の心配は無用だったようで例年末よりは多い参加がありました。日頃2階研修室での開催の場合は資料のプリントを抑えているのですが、《第9》なのでと多めに用意したものが余ったのもわずかで嬉しいものでした。しかも、レコードを再生中の集中力には尚のこと嬉しいものでした。録音を聴く限りでは、参加者が少なかったのでは無いかと思えるほど物音は静かです。

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今年も皆さんのたくさんのご参加感謝します。来年最初のコンサートは、1月22日の開催になります。これまで12月と1月は第3日曜日に開催していましたが、元日が日曜日になることから1月の第3日曜日が15日に当たり、熊本博物館に会場を確保できませんでした。その為の変更です。お間違いの内容に宜しくお願い致します。

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《蓄音器の音》聴きませんか – 初雪の熊本に流れる第9の調べ 明日、日曜日に第284回蓄音器でレコードを楽しむコンサートを開催致します。

熊本では昨日、16日金曜日に初雪が観測されたと気象台から発表がありました。午後3時頃に降った小雨の中に雪が舞っていたと言うことで、昨年より9日早く、例年からは7日早い初雪の観測記録となりました。

いつもは熊本で雪を感じるのは、年越しの時期や初売りの買い物の帰りだったり。昨年は年末の買い物の最中でした。日本の北の方では一晩で庭の愛車が雪に埋もれている。今から掘り出してから出勤だと写真を見せてくれたネット越しのつきあいも今朝はありました。そうした風情からすれば熊本は可愛いうちだろうけど、道を歩いていて雪がちらついている光景はクリスマスを過ぎて年の瀬を感じます。

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年の瀬のクラシックの恒例はベートーヴェンの『合唱』。今日、12月17日はベートーヴェンの誕生日です。

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《蓄音器の音》聴きませんか – くまもとの風スペシャルにSPレコードと蓄音機を楽しむ会が出演 – 2011/12/16

金曜日(2011年12月16日)、午後7時30分からNHK熊本で「くまもとの風スペシャル〜くまもと歌物語音楽祭〜わが心の熊本メロディー〜」に当会、SPレコードと蓄音器を楽しむ会会長が出演します。

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毎月のコンサートでは、数年来一番最後に熊本ゆかりの音楽をレコード、テープで聴いて頂いて締めくくりとしてきました。これは熊本博物館からの要望があったもので、全国的に知られたものから地元でも知られていない曲、忘れられてしまっていた曲などを紹介しました。

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《蓄音器の音》聴きませんか – ワインガルトナーの《第9》, 第1楽章 LX 413-A

年末は今年も《恒例の第9》。昭和10年、日本コロムビアの要請で録音セッションを快く受け入れたワインガルトナー指揮ウィーン・フィルの晴朗な響きを聞いて良い年を迎えましょう。ワインガルトナーの作り出した音楽は、双璧と言えるフルトヴェングラーのドイツ風の重厚さとは、好対照の優美に流れる《第9》。これがウィーン的なベートーヴェン。戦後のウィーン・フィルの音も素晴らしいものでは在るけれども戦前のウィーン・フィルのしなやかで柔らかい絹の肌触りのような美音は、8枚のSP盤の両面に刻まれた音の記憶として、永遠に聴かれ続けていくのでしょう。

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昨年の例会の録音を聞き直してみたら、第2楽章にスポットを当てて解説をしていました。その中で第1楽章について、ワインガルトナーの演奏は第1楽章を聴いただけで、先を聴く気持ちがだれてしまう。と言っていました。
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